銀色ルーペ 09

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銀 色 ル ー ペ 9


 翌日から放課後はずっと、文都と砂流は二人で、地図を眺めて書かれている文字探しをした。複写してある地図は二枚あるのだが、使えるルーペは一つきりなので、一人づつルーペを使って探し、疲れるともう一人がかわりに探した。
 地図をたくさんの縦線と横線で細かく区切り、くぎった枡目を一つづつ文字が書かれていないかと言う方法で探すことにしていた。そうすれば、地図のどこを探して、どの部分をまだ探していないか、一目瞭然だからだ。
 「本当に別の文章があるのかなあ」
 机に肘をつき両手を頬にあてながら、文都は地図の上にかがみこんで、文字探しにぼっとうしている砂流に話しかけた。昼休みに空いている教室に入り込み、勝手に使っているのはいつものことだけれども、せっかく二人でいるのに話しができないので、退屈しているのだった。
 「あるはずさ。最低でも一つはね」
 砂流の方は忙しそうに文字を探している。
 「ずいぶん確信があるんだな」
 「だって、あの二つだけじゃあ、意味をなさないだろ?」
 文都は黙った。砂流は黙って地図をたどっている。
 しばらくして文都は、また口を開く。
 「暗号を解いたら、何があるのかなあ」
 「文都が前に言ったように、宝物の隠し場所かもな」
 「本当に?」
 「さあ、それは暗号を解いてみないとわからないよ」
 「どんな暗号なのかな」
 「だいたい予測はついてるけどね」
 「ええ! 本当かい?」
 文都は身を乗り出して砂流の方へ近づいた。
 「たぶん場所を示すと思う」
 「場所、かあ」
 文都は宝物が隠される場所なんて、どこだろうと、あれこれと思い浮かべてみた。洞窟とか、お屋敷の地下とかだよなあ、普通は。と色々と考えをめぐらせてみる。窓際に座って暖かい日差しを浴びながら、そんなことを考えているとだんだんと眠くなってきてしまうのだった。



連載第10回へと続く