夏期学校 18

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夏期学校 〔少年図鑑シリィズ2〕

【第十八話 探索】



 最近、頻繁に姿を消してしまう文都を探して、砂流は寄宿舎の裏手を歩き回っていた。臨海合宿に来て以来、同室になれなかったこともあって、行き違いにばかりなってしまっていた。話しかけようとして文都の姿を探すと、どこにもいないのだった。
 学校にいる時には、こんなことはなかった。たとえ見える範囲内にいなくても、誰かに聞ければ行方はすぐにわかった。けれど最近は文都を見かけなかったかと誰に聞いても、「さあ、見かけなかったな」と答えられるばかりだ。
 こんなに狭い場所で、誰も居場所を知らないと言うのが砂流の気にかかっていた。一人で、どこか人けのない場所へ行っている証拠だ。けれど、いつまでも一人きりでいるはずがない。こんなに場所ではすぐに退屈してしまうだろうから。だとすると誰かと一緒だと言うことになる。
 砂流は表情を険しくした。


第19話へと続く