夏期学校 25

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夏期学校 〔少年図鑑シリィズ2〕

【第二十五話 花火2】



 「文都を探している時に、いいものを見つけたんだ。一緒に来るだろ?」
 いつもの調子で砂流が提案してきた。もちろん答えは聞かなくてもお互いにわかりきっている。
 今度は誰にも邪魔されないように、ホテル裏の森の木の上に陣取っていた。文都は太い木の枝に座り、砂流は枝の上で立ち上がり、木の幹に片手をついて見張り番のような恰好をして、時々遠くに目をやったりしている。
 「何?」
 興味深げに文都は砂流を見上げる。
 「いいものさ」
 砂流はそう言うと、形のいい片目を閉じてみせた。


第26話へと続く