124号室

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ホテル『胡桃割り館』 124号室

 また一作、移し終えた。
 ふたたび出会うことができたこのホテルの一室で、写せるだけ写さねば。何日間でも泊まり続けてやる。
 そんな私の決意だったのだが。
 目覚めると、私は森の中で眠っていた。
 ああ、またしても拒まれてしまったのだと察する。
 けれど私の手の中には、私が写したノートだけは残されていた。
 どうやら、まだ完全には拒絶されてはいないようだった。
 私は写したばかりのノートをゆっくりとめくった。







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